この記事はこんな方にオススメ
- 古くなったHHKB(Happy Hacking Keyboard)のキー入力が重い気がする
- HHKBのキー入力を軽くしたい
- 2019年にHHKBのtype-Sという静音化モデルを購入して使ってきました。
- 2022年に新しいタイプのHHKB Professional Classicという最も安いタイプのHHKBを追加で購入しました。
両者を使い比べると明らかに、最近購入したHHKBの方が、キーの入力が軽いです。
- 旧タイプのHHKB type-Sが古くなってきているためかもしれません。
- キーを指で押したときの抵抗が強く、あたらいいHHKBよりも指の力が必要で疲れやすく感じました。
かといって、古いほうのHHKBもお気に入りのキーボード。
何とかならないかと思って、思い切って改造してキー入力を軽くしてみました。
HHKBを改造してキー押下圧を軽量化
した方法をご紹介します。
実際に改造してみると、押下圧は軽くなり押しやすくなりました。
キーの押下圧を軽量化するために改造したHHKB
HHKB Professional JP Type-Sです。
キーの押下圧は仕様上45gになっています。
- ただ購入した時点から、なぜか感覚的にキーの押し込み圧(押下圧)が高かったのは覚えています。
- 実際に他のHHKBに触れてみると、明らかにキーの押し込み前半の圧が高かったですし。
- 年数が経過しているからかもしれません。
キーボードでの文字入力が多くなってくると、この押し込み圧の高さは指の疲れにつながります。
HHKBのキー配列については気に入っているため、キーの押し込み具合を何とかしたかった。
使ったもの
- HHKB
- キートップの引き抜き工具
- プラスドライバー
- 3 mmの穴をあける工具(穴あけパンチ)
実際の手順
キートップを全部外す
Filcoの引き抜き工具を使いました。
キートップを外す前に写真を撮っておくのがおすすめです。
- あとで再度キートップを本体に取り付けるときに、場所がわからなくなるからです。
69個のキートップ全部外します。
キーボード裏のネジ3つを外す
最近のHHKBでは1か所はシールで隠されているようですが、1世代前のわたしのHHKBでは3か所ともネジ穴が露出していました。
キーボード内側を露出させる
側面の溝の部分でキーボードを上下方向に広げて分離し、内面を露出させます。
ただし、上下に分離できても、内側では小さな基盤と大きな基盤が一束のケーブルで上下がつながっています。
キーボード全体をひっくり返して、(キートップがあった方を下にして)作業台の上に置きます。
注意ポイント
- 上下に分離するときには、力を入れないことと、大きく分離してしまわないよう注意が必要です。分離した上側に大きな基盤、下側に小さな基盤がありその間が一束のケーブルでつながっているからです。このケーブルに負荷をかけて切らないように注意しましょう(といってもそんな簡単に切れるようなものでもありません)。
- 以後、基盤が露出された状態になります。基盤を損傷させないように注意が必要です(普通に優しく扱えば大丈夫)。
USB接続部の基盤を外す
PCとUSB接続する端子付近に小さな基盤が固定されています。
1本のネジで固定されています(上の画像の赤で囲んだ箇所)。
ネジを外して、小さな基盤を手前に傾けるようにして取り外します。
大きい方の基盤をキーボードのケースからはずす
大きい方の基盤をキーボードのカバーから外します。
ネジは基板上に白色の丸印で囲ってあるところに合計18か所(上の画像では赤丸で囲んだところ)あります。
プラスドライバーを使って、ネジを全部はずします。
ネジを外したら、基盤をキーボード本体から外します。
- ここで、わかりやすいように上下さかさまになっていたキーボードを元に戻して(きちんとキートップ側が上になるようにして)、キートップ側を上に持ち上げるようにして、基盤を取り外します。
- すると、ラバードームが基盤にくっついている状態で出現します。
この段階で、はずしたネジは
- キーボード底面のネジ3つ
- 小さい基盤を固定していたネジ1つ
- 大きい基盤を固定していたネジ18つ
あります。
ラバードームを露出させたら
ラバードームは軽く基盤にくっついています。
ラバードームは1~数個の塊になっています(向きも重要)。
ラバードームの
- 場所
- 方向
を確認するためです。
この後にラバードームを基板から外しますが、そうするとラバードームはもう基盤にくっつかず乗せてるだけの状態になります。
ラバードームの底面には凹状の切れ込みがありますので、その切れ込みが上下方向か、それとも左右方向にあるかが大事です。
ラバードームに穴をあける
ここが軽量化のキモです。
ラバードームを一つずつ基板から手で外し、穴あけパンチを使って、ラバードームの側面に4つずつ、3mmの穴をあけていきます。
- ラバードームは厚くはないため、破らないように注意しつつ(もちろん優しく扱えば破れない程度です)、ドームの前後左右に穴をあけていきました。
- おおよその感覚で。
- ラバードームの内側には繊細そうな円錐状のスプリングが入っています。転がってなくさないように注意が必要です。
穴はきれいにあくとは限らず、一部がつながっている状態になりましたが、面倒なのでそのままにしておきました。
穴をあけたラバードームは、基盤のもとの位置に戻します(だいたいでOK)。
全部で69個のキーキャップに4つずつ穴をあけていったため、合計で276個の穴をあけていきました。
ラバードームの位置の微調整
ラバードームが69個乗った状態(ここまではだいたいの位置があっていればOK)の基盤にキートップ側のキーボードのカバーをかぶせます。
そしてキーボードカバー(上側)と基盤のセットをひっくり返して基盤の裏面が上方向になるようにします。
基盤をそっと上にあげて、キーボードカバーから基盤を取り外します。
すると、ラバードームとスプリングがキーボードカバーの穴の中に入った状態になります。
ここで、ラバードームとスプリングの位置を正確に直していきます。
- 注意するのは、ラバードームの凹状の切れ込みが、キーボードカバーの小さなでっぱりにはまるよう並べます。
- 隣り合ったラバードームが重なり合ったり、斜めになっていると、キーを押したときに反応しない原因になるため、ここは慎重さが必要です。
- スプリングも斜めになっていないか注意しましょう。
すべてのラバードームとスプリングの位置がきちんとなっていることを確認して、
基盤をその上からかぶせます。
- かぶせるときに、きちんと垂直方向にかぶせるようにしましょう。
- いったんかぶせて位置を左右にずらすと、ラバードームやスプリングがずれる原因となりキーが反応しない原因になります。
きちんとかぶせたら、数か所ネジをしめて大きい方の基盤をキーボードカバーに固定します。
ここで、キーがすべて反応するか確認します。
- キーボードとPCをつないで、一つひとつキーを押してキーが反応するか確認します。
- 反応しないキーがあったら、その部分のラバードームの位置がずれている可能性が高いです。
- その時には、再び基盤をはずして、ラバードームの位置の微調整をやり直します。
キーが反応しなかったら、ラバードームやスプリングがずれていますので、やり直しです。
元に戻す
18個のネジをきちんと閉めて大きい方の基盤を固定します。
小さい方の基盤を、下側のキーボードケースにはめてネジで固定(1か所)します。
キーボードケースの上下を合わせて、ネジで固定(3か所)します。
キートップをすべてはめ込みます。上からグイとはめたら簡単にはまります。
わたしがやってみたら・・・
3mmの穴を4か所ラバードームにあけると、これまで重かったキーが見違えるほど軽くなりました。
- もとのキーの重さと、目的とするキーの軽さの程度の問題ですが、もっと軽くしたい場合には穴の大きさを4mmにしたり調整できそうです。
- もちろん、適度にあける穴の数を最初は3つで試したり、徐々に調整する方法もよさそう。
この作業でHHKBが壊れても保証の対象外でしょうから、くれぐれも自己改造の勇気と何よりも好奇心が必要です。
さいごに
HHKBを改造して、キーの押下圧を軽量化したわたしの経験をご紹介しました。
HHKBの新しいものにはかないませんが、今回の改造をすると、キー入力が軽くなりました。
- HHKBを使っていて、特に古くなったHHKBを使っていてキー入力が重くなってきたなと感じた方
- HHKBでキー入力をもっと軽くしたいと思った方
は、試してみる価値ありますよ。
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