- 単に「記録して、それで終わり!」
- あるいは、会議の議事録風に、直後にまとめて終了
と、その後に活用しないことは多いと思います。
他にも、
- メモをするけど、活用していない。
- メモを活用できるの?
- メモをどんなふうに活用したらいいかわからない。
- せっかく書いたメモを有効利用したい!
と考えている人は多いと思います。
そのような疑問を解決してくれるのが
「メモの魔力(幻冬舎)」
です。
メモについての本はいくつも読んできましたが、この本では本当に
- メモの重要性が理論的に紹介されています。
- 実際のノートを使った活用方法についても紹介されています。
自分のノートでもすぐに活用できる方法です。
Contents
著者のプロフィール
ポイント
前田裕二(まえだゆうじ)
- 実業家。SHOWROOM株式会社の代表取締役社長。
- 「メモの魔力」は50万部のベストセラー。
- テレビやラジオ、Web動画配信など、多面的にメディアで活躍。
自分の考えの軸があって、普段のメモを使った考察やアイディアの引き出しがたくさんあるんでしょうね。
本の概要
この本では、
- メモ(記録) = 事実(ファクト)
- メモの一般的な概念へ変える = 抽象化
- 抽象化した概念を応用する = 転化
と定義しています。
【メモの意義】メモを単なる備忘録で終わらせず、ヒトにしかできないことに使う
- 人だからこそできる創造的なことに利用して、
- PCやロボットにできることはPCやロボットに任せてしまっていい
と思います。
「記録」ではなく「知的生産のためにメモをとる」(本から引用)
記録とは単なる事実を書いたものであり、単なる備忘録で終わらせるか、それとも、創造的なものを生み出すのに利用するか。
単なる備忘録であれば、ヒトがするべきものではなく、ロボットやPCなどでもできること。
むしろ、ロボットやPCのほうが得意かもしれません。
人間にしかできないことは、独自の発想やセンス、視点でアイデアを創出することです(本から引用)
とこの本で述べています。
【メモをとる】まずは、事実(ファクト)をメモする(記録する)!
とにかくメモをしまくることが大切と著者は述べています。
それは、メモを利用するために必要なことだからです。
その1: アイディアをキャッチする一歩
ビジネスに限らず、僕から生まれるほぼすべてのアイデアは、ふだん無意識に通り過ぎてしまいそうなことに目を向けて、逃げずにそれらを「言語化」することで生まれています(本から引用)
またその情報については、言語化して初めて認識されることが多いです。
例えば、すごい!やばい!で片付けてしまう日常のちょっとした「感情の揺れ・動き」を経験すると思いますが、それを、「すごい」「やばい」で片付けず、どうすごいのか、どうやばいのかを考え、言語化すると、利点・欠点・課題を浮かび上がらせることができます。
その2: あいまいなものを言語化し、キャッチーな名前で明確化する
これは、曖昧な概念を理解するのは意外と難しく、経験した自分自身でさえ理解しにくいです。
ましてや、他の人にそれを伝えるのは更に難しいです。
例えば、サザエさん症候群。
“サザエさん症候群(サザエさんしょうこうぐん)とは、日曜日の夕方から深夜、「翌日(月曜日)からまた通学や仕事をしなければならない」という現実に直面して憂鬱になり、体調不良や倦怠感を訴える症状の、日本における俗称である)。(Wikipediaより)”
- 日曜日の夕方に、明日からまた1周間が始まるなぁ。
- 仕事(学校)に行きたくないなぁ。
となんとなく思っているだけでなく、
この状態を「サザエさん症候群」というキャッチーな言葉で短く!言語化することで、共通認識されやすくなります。
同じように相手の話をメモしながら、まとまりごとに何の話かを考えましょう。
このように、
- 相手の話の骨組みがわかるようになり、話の理解を深める
- 曖昧な感覚や概念を言語化することで、あいまいな理解に終わらせず明確にする
ということができるようになることはとっても大切です。
【メモを利用する第1段階】メモの抽象化
メモ自体は記録であってクリエイティブなものではない。
つまり、記録自体を再利用することはあっても、そこからアイディアを直接生み出すのには淡白すぎます。
アイディアにつなげるためには、まず
メモした事実(ファクト)を
(1)「抽象化」した上で、さらにクリエイティブに利用するために
(2)「転化」(応用)します。
なにも、万有引力の法則を見つけ出すという、大それたことをするというわけではなく、
A、B、C・・・などの事実から、
共通の概念や法則を自分の主観的立場で読み取っていいのではないかと思います。
例えば、
- 米をたくさん食べると食後に眠くなる
- でも、米を食べないと食後に眠くならない
- また、野菜を最初に食べると食後に眠くならない
という事実(ファクト)があったときにときに、「炭水化物をとると、食後に眠くなるのかも!」
と仮説を立てたりすることです。
【メモを利用する第2段階】メモの転化
メモから何かを読み取り、法則・仮説を考える抽象化は重要なことですが、これだけならあくまでも、いわゆる評論家レベルにとどまってしまいます。
その後に、この抽象化から、自分自身の行動の変化(行動変容)を促してはじめて、自分自身や周囲を変えていくことができます。
先程の食後の眠気の例でいえば、
- 炭水化物は美味しくたくさん食べたいから、野菜を最初にもっとたくさん食べて食後の眠気が来ないか試してみる!
- 炭水化物を食物繊維が多い玄米に変えてみる!
- などの、アクションを実際に起こしていきます。
- 行動に移す、応用してみる!
などです。
自分の気づき
この本で紹介されているメモを活用する理論や方法を知って、本当に腑に落ちた気持ちになりました。
この感覚はこれまで読んできたメモの活用の本にはありませんでしたから。
また、メモを単なる記録で終わらせず、有効利用する考え方や、実際のノウハウが紹介されています。
こんなにオーガナイズドされた、メモの活用方法を知ることができて、実際に活用しようとしている方も多いはずです。
私も取り入れてみます。
さいごに
- メモを単なるメモとして終わらせないための本です。
- メモについての本はたくさんありますが、単にメモを記録媒体としてあるいは記憶するものとして捉えるのではなく、今後の創造的な活動に活かすという点が大きく違います。
- また、メモをどのようにして今後に活かすか、その方法が詳細に描かれています。
- メモの本を読んで、腑に落ちた感じがした初めての本で、本当に一読の価値があります。
- 本当におすすめです。