わたしは
- 車の運転をしています。
- でも、車に詳しくありません。
- 車のタイヤを交換しにタイヤショップに行くと、初めて聞くようなサービスをすすめられて毎回混乱しています。
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タイヤに窒素を充填するのは
- どんな意義があるのでしょうか?
- このサービスを利用した方がいいのでしょうか?
- 必要ないサービス?をすすめられているのではないでしょうか?
この記事では、
私と同じように車を運転しているけれども、車に詳しくない方に、
- タイヤへの窒素充填
はどんなサービスかをご紹介します。
本当に必要なサービスなら受けたいですよね。
この記事が、私と同じように車に詳しくない方に少しでもお役にたてると嬉しいです。
Contents
タイヤへの窒素充填とは
タイヤの中に空気を入れるのではなく、窒素を代わりに入れることです。
空気は、
- 窒素78%
- 酸素21%
- その他(二酸化炭素など)1%
で構成されます。
窒素だけを入れますので、タイヤの中の気体を窒素100%にします。
メリット
窒素ガスのメリットは
- タイヤの空気圧が減りにくい
- 空気圧が変化しにくい
- タイヤやホイールの酸化(サビなど)を防ぐ
- ロードノイズが減る
- 窒素は燃えないため、バーストした時の火災のリスクを減らす
- 水分を含まない(場合が多い)
と言われています。
タイヤの空気圧を一定に保つことができるというのは一番の利点だと思っています。
空気圧が低下すると、
- タイヤの摩耗が増えてタイヤが劣化しやすい
- 燃費も悪くなる
ということは確かです。
タイヤの空気圧が減りにくい
窒素ガスは分子が大きく、タイヤのゴムの隙間から外に抜けていきにくいため、タイヤの空気圧が減るスピードが遅いです。
空気圧が減らないわけではありませんが、遅いために空気圧をチェックする間隔を少し延長することができます(通常が2~3か月なら、4か月程度位の違いらしい)。
タイヤの空気圧が変化しにくい
車が走ると摩擦でタイヤの温度が上がります。
温度が上がると、気体の容積は増えます。
この容積の増加が、空気よりも窒素のほうが少ないです。
つまり、タイヤの空気圧を一定に保つことができるという利点があります。
水分を含まない
水分も温度で容積が大きく変化する原因になります。
水分が空気に含まれている方がタイヤの温度が上昇・低下すると、空気の容積も増える・少なくなるのが強くなります。
デメリット
お金がかかる
タイヤの空気を補充するのは、ほとんどのガソリンスタンドでは無料です。
窒素を充填してもらうには、1本約500円かかります。
タイヤに窒素を入れたとしても、その補充間隔がやや長くなるだけで補充しないと空気圧が下がってしまいます。
そのため、車1台2,000円を数か月間隔で支払うこともあります。
1度窒素を入れるとその店舗ではその後の補充は無料サービスのところもありますが、いずれにしても初回は約2,000円支払う必要があります。
窒素ガスを入れるサービスを提供しているガソリンスタンドは少ない
定期的に空気圧を点検・補充するのに、窒素ガスを入れてくれる店舗に車を定期的に持っていく必要があります。
空気なら、全国各地のガソリンスタンドで無料です。
車を動かすのに燃料であるガソリンを定期的に入れるのは必須のため、ガソリンを入れる機会に空気圧もチェックして必要なら補充する、というのができなく(しにくく)なります。
* 窒素ガスをせっかく充填したタイヤに、ガソリンスタンドで空気を入れてしまうと勿体ないからです。
タイヤに窒素ガスを充填した方がいい場合は?
有名なのは、飛行機のタイヤです。
以前はF1の車も窒素ガスを使っていた時期があったようです(今では空気から水分を除いたドライエアーを使っていると言われています)。
飛行機のタイヤ
飛行機のタイヤは過酷な状況で機能しています。
あの数百トンある飛行機の機体が、離陸するときにはわずか数十秒で時速数百キロに加速します。
着陸するときもあの大きな機体をいくつかのタイヤでしっかり支えます。
また、タイヤの中の気体の温度変化はかなり大きく、それに耐える必要があります。
上空では低温(約マイナス60度)になるといわれていますし、離陸・着陸時のタイヤ温度は摩擦のために上昇します。
そのため、タイヤにかかる負担はとてつもなく大きいし、タイヤの役割もとても大きいです。
F1のタイヤ
ほんのわずかなタイムの差を争う競技です。
タイヤも摩擦で加熱されますし、空気圧の変化はスピードにも影響しますから、適切な空気圧を維持することが求められています。
そのため、タイヤの空気圧を適切な範囲にキープすることが必要でしょう。
微妙な差がタイムに影響しますから、F1のタイヤでは水分を含まないドライエアーを使って空気圧の変化をおさえるメリットはとても大きいそうです。
* 以前は窒素ガスを使用していた時期もあったものの、最近はドライエアー(水分を取り除いた空気)を使っているようです。
自分の車のタイヤに窒素ガスを入れた方がいいでしょうか?
飛行機やF1等の過酷な条件下のタイヤは空気圧を一定に保つことで、安全・安定性を保つ利点が大きいのは明らかです。
問題は公道を走る「自分の車のタイヤに窒素ガスを入れた方がいいかどうか?」です。
あくまでも個人的な考えですし、車をどのように運転するかによっても変わってくるとは思います。
公道を一般的に走る範囲の車にとって、
タイヤへの窒素ガス充填は
- 理論上は「メリットは確かにある」が、実質的に「うける恩恵はわずか」
- コスパに優れない
- 窒素ガスを充填できる店舗でしか充填できない(まだ多くない)
です。
普通に行動を普通の車で走るだけですので。
窒素ガスの料金分だけ、おいしいご飯を食べたり、新しい経験をしたりすることに使う方が私にはずっとメリットが大きいと考えました。
もちろん、
窒素ガスを充填すること自体は、少しメリットがあると思いますので、
- 昼間に、窒素ガスを充填する店舗に定期的に行くことができる(時間的余裕)
- 窒素ガスを入れたタイヤの方が、走りやすい(そこにお金を払うメリットがある)と感じる
- 本格的なレースをしている
場合には、窒素ガスを使うメリットはあるのかなと思っています。
私の経験
何も知らずに、以前にタイヤを交換したときに窒素ガスをすすめられました。
価格もタイヤに比べたら高くなかったために、よくわからずに窒素ガスを入れました。
感想としては
「窒素ガスが入ってます」と言われてもはっきりとその効果はわかりませんでした。
当時は、むしろ「窒素ガスだから、タイヤの空気圧をチェックするのは遅めでいいかな?」
という感覚で、今から考えると危ない理解でした。
タイヤの空気圧を保つために重要なこと
車を運転するうえで、タイヤの空気圧を一定に保つのが大事なのは確かです。
燃費、タイヤの摩耗、パンクに関係しますから。
そのために大事なことは、
「窒素と空気のどちらを使って空気圧を一定に保つか」という問題よりも、
- 定期的にタイヤの空気圧を測定する
- 空気圧が低下していれば補充する
方がはるかに、そして確かな効果があります。
こまめにタイヤの空気圧を測定して補充すれば、窒素ガスで得られる利点のうち、
- タイヤの空気圧が減りにくい
- 空気圧が変化しにくい
- 水分を含まない(場合が多い)
はそれほどの効果ではありません。
他の利点の
- タイヤやホイールの酸化(サビなど)を防ぐ
- ロードノイズが減る
- 窒素は燃えないため、バーストした時の火災のリスクを減らす
についても
タイヤは定期的に変えますし、車も定期的に買い換えますから、酸化は少なくとも私にとってはそれほどの問題ではありません。
ロードノイズも実際に少し分かる方とわからない方に分かれる程度の効果です。
バーストについては、飛行機のバーストではありませんし、タイヤの空気圧をこまめに点検して維持すればそのリスクを減らすことができます。
むしろ、
- 窒素ガスにしたから、ガソリンスタンドでタイヤの空気圧を点検・ガス補充しにくくなる
- 窒素ガスのために空気圧が下がりにくいと思って空気圧の点検をおろそかにする
方がよっぽど危険だと考えています。
さいごに
タイヤに窒素ガスを充填するのは、普通の乗り方をする場合には、それほどのメリットはありませんでした。
むしろ、全国のガソリンスタンドでガソリン補充のついでに空気圧をチェック・空気補充できることの方が大きなメリットです。
「窒素ガスを使うのが自分にとっては明らかにメリットだ」と言うことができない場合には、従来の空気の方がおすすめです。
ただし、わずかかもしれないにしても、窒素ガスの方が空気よりもメリットはあります。
- 過酷な負荷をタイヤにかけてしまうような運転をする必要がある
- 少しでもタイヤのコンディションを維持したい
- そのためなら、窒素ガス充填のために定期的に専門店にお金を支払う
という方には、窒素ガスを使った方がいいと考えています。
今回の記事が、皆さんに少しでもお役にたてると嬉しいです。