「楽観」と「悲観」
どちらのイメージがいいですか?
- 楽観はおおらかでポジティブ
- 悲観はくよくよしていてネガティブ
な印象があるからです。
森博嗣(もりひろし)さんの著書『悲観する力』
をご紹介します。
悲観する重要性をとことん教えてくれる本です。
この本を読むことで、
- そして人類は悲観してきたからこそ進化してきた
- 楽観はむしろ思考停止状態の事が多い
ことがわかります。
悲観するにしても
- 過去を悲観するのではなく、未来について悲観して考える。
- 悪い事態にならないように、あらかじめ考えうる手を打つ。
という、
「ポジティブに心配する」
ことは、人間が進化してきた源でしょうし、「成功する秘訣」です。
著者のプロフィール
著者:森 博嗣(もり ひろし)
小説家、工学博士。
名古屋大学工学部建築学科卒。
元名古屋大学助教授。
受賞歴(Wikipediaより)
- 1989年 日本建築学会奨励賞
- 1990年 日本コンクリート工学協会賞
- 1988年 セメント協会論文賞
- 1990年 日本材料学会論文賞
- 1989年 日本建築学会東海賞
と仕事上もたくさんの賞をもらいつつ、350冊以上!の小説をはじめとした著書があります。
どの本もいい意味で今までの概念を壊して、隠れている本質的な大事な価値を教えてくれます。
この他に
テレビドラマでも、「すべてがFになる」というフジテレビの武井咲さん、綾野剛さんが主演するドラマの原作も書いています。
本「悲観の力」の概要
悲観と楽観。
どちらが良さそうかといえば、楽観の方が良い状態と答える方は多いでしょう。
ただし物事を成功させるためには、悲観的に考える必要があります。
- “あらゆるトラブルを想定し、悪い事態にならないよう考えうるかぎりの手を打つ”(本から引用)
- トラブルなどの思い通りに行かないことに対して考え、対策をる
と「悲観的」に想定して対策をとっておくことは、成功する・安全なモノを作るためには必須です。
反対に楽観はポジティブな考えかもしれませんが、「大丈夫だろう」と対策せずに漠然と思っていることが多いです。
もし
- 車
- 飛行機
- 電化製品
- 原子力発電所
が「きっと大丈夫だ」「故障しないよ」と、楽観的に作られていたら怖いですね。
どこを向いて悲観するかです。
過去を悲観しても、将来に生かさない限りはまさにネガティブな悲観になってしまいます。
- 漠然とした悲観は最たるものです。
- 自分の中で堂々巡りをする悲観は、メリットがありません。
大事なことは
あくまでも将来に対する「ポジティブ」な悲観なのです。
本から得られる教訓
わたしの中では、
- 楽観的に発想し、
- 発想を実現するための計画は悲観的に
- そして徹底的に悲観したら、実行するのは楽観的に
というのが理想です。
と言っても人間だもの。
著者も書いています。
“明日にも死ぬかもしれないという悲観と、まだしばらくは大丈夫だろうという楽観の間 で、人は揺れ動く。生きるとは、考えるとは、つまりはこの揺らぎのことである”
悲観と楽観の中で人間は生きていくのは仕方ないこと。
その中でできる限り、特に大切なものでは、ポジティブに悲観することが大切なんでしょうね。
森博嗣さんの他の作品
さいごに
森博嗣さんの著書『悲観する力』をご紹介しました。
- 人間がこれまで進化してきた原動力の「悲観」
- 将来を向いたポジティブな「悲観」
という、「ポジティブな悲観」の大切さを気づくことができる本です。
この記事がみなさんに少しでもお役に立てるとうれしいです。
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