先日
『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』
についての書評記事を書きました。
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黄金の羽根って何ですか?『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』【書評#18】
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- 社会にはお金の制度の歪みがあり、その歪みを利用して経済的な独立を早期に獲得する
ということが本の後半にかかれていました。
そこではまさに合理性だけではない、しがらみのある人間だからこそ残った歪みを、人間らしく利用することになります。
- 倹約や投資とともに、
- 黄金の羽根の拾い方というこの本のタイトルにもなっている主には節税について、
本当にたくさんの情報を得ることができます。
さらに興味深いのは、
今回の本を書くくらい金融や税制についての多くの知識を持っている著者でさえも、依然として自分がホームレスとなってしまうかもしれないというリスクへの恐怖を持っていることです。
『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』の終章(エピローグ)として書かれている
- 「新宿中央公園のホームレス」
という章についてご紹介します。
この章には、いくら金融・経済的エキスパートの著者でさえも抱える、まさに人間らしい不安が記されています。
- まさに人間らしく、いくら成功しててもつきまとう不安。
- それをこの章では生々しくイメージすることができます。
投資をしている方は増えてきているのかもしれませんが、たとえ最近利益が得られていても、つねにリスクを考えることが大切です。
金融や税制のプロであってもリスクに対して不安を持っているのですから。
この本で一番人間らしい不安を感じるところ―新宿中央公園―
新宿にあるパークハイアットの豪華な空間を利用する人々がいます。
- 不況の世の中であってもそこは別世界。
- そのパークハイアットのレストランからは隣接する新宿中央公園を見渡せます。
実は実際にその新宿中央公園に足を踏み入れると、そこにはホームレスとして残飯をあさって生きている人々が生きています。
- 中には貧困のために生死をさまよったり、なくなっていく人もいるのでしょう。
地理的に隣接しているのです。
それでも、お互いに別世界で生きている(ように見えます)。
本当にこの2つのグループは別世界に生きているのでしょうか?
著者の不安【プロはリスクを常に考えている】
今もし自分がパークハイアットを利用している側の人間であっても、いつこのホームレスとして残飯をあさる生活になるか分からない、そんな不安が著者にあるそうです。
この本では節税やマネーフローを最適化して成功する方法を著者は詳しく紹介してきました。
その著者がたとえ成功して今パークハイアットを利用している立場であっても、将来何が起こるかわかりません。
- 将来突然に新宿中央公園でホームレス生活をするかもしれない。
- そんな人間の明暗が隣り合わせ。
- 明日は豪華なレストランの隣の公園で、いつ自分が残飯をあさって生きていくかもしれない。
すぐに・いつか立場が変わってしまうという不安やリスクを人間は背負って生きています。
これだけ金銭に詳しい著者であっても、安定・安住ではないのです。
この不安や人間の闇もまた、人間らしい部分なのではないかと思っています。
経済や税制のプロだからこそ、その危険性をわかっているからかもしれません。
わたしの考え
- ホームレスとして残飯をあさって生きていく新宿中央公園の人
- そしてパークハイアットでの贅沢なレストランで優雅に食事をする人
調べてみると、東京都庁や京王プラザホテルのすぐ近くでした。
もし今後新型コロナの感染が収まって従来の生活が戻ってきたら一度はパークハイアットのレストランの窓から外を眺めてみたいものです。
そして怖いですがその公園に足を踏み入れてみたいものです。
- 自分は何を考えるのか
- ひょっとしたら何も考えないのか
- 著者がかかえる不安を自分自身も感じるのか
さいごに
作家であり住職である今 東光(こん とうこう)さんが「人生とはなにか」の問いに対して、
「人生は冥土(めいど)までの暇(ひま)つぶし」
と答えたそうです。
人生には
- いいこと、悪いこと
- 成功と失敗
- 喜怒哀楽
いろんなことが起こります。
- 生きていく間に、金銭面も含めて、成功もあれば、失敗して、不安になることがあるかもしれません。
- 投資にしても、負の側面(リスク)があることは決して忘れてはいけません。
- でも人間らしく希望をもって生きていきたいと思っています。
『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』には、経済的に自立する(1億円を貯める)方法が紹介されています。
それ自体とても興味深く情報を得ることができますが、
その終章であるこの新宿中央公園のエピソードは、
- 人は常にリスクと隣り合わせで生きている
- 人間らしい恐怖・不安
を知ることができる、とても本質的というか共感できる部分です。