医学

【内科】日本と世界の各分野の注目度の違い:「ハリソン内科学」と「朝倉内科学」比較

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こんにちは!

 

やしゅ
世界的に有名な内科の教科書『ハリソン内科学』を読んでいます。

 

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『ハリソン内科学』は、アメリカで発行されていますが、日本でも有名で世界的に利用されています。

 

日本にも、日本人が作っている代表的な日本語で書かれた教科書がいくつかあります。

その1つは、内科学(朝倉書店出版)(いわゆる朝倉内科学)です。

 

  • アメリカで作られた『ハリソン内科学
  • 日本で作られた『朝倉内科学

 

アメリカ中心の内科学と日本の内科学の教科書をみると、日本と海外の内科の視点が違うことに気づきます。

 

この記事では、アメリカと日本の教科書にかかれている病気の割合を比較して、

  • 日本とアメリカで重きを置かれる分野違い

をご紹介します。

 

世界的に見ると、日本のような先進国・高齢化社会との違いがあり興味深いですよ。

日本で注目されている病気と海外の病気の違いをみると、「井の中の蛙」にならないようにしたいと我ながら省みました。

 

ハリソン内科学

 

内科学の世界的な教科書はいくつかあるなかでも有名なものの1つが『ハリソン内科学』です。

現在販売されているのは第20版と、繰り返し改訂されてきた定評のある内科学の教科書です。

 

内科学(朝倉書店)

 

 

日本で有名な内科学書のうちの1つです。

 

やしゅ
私も学生時代に買って利用していました。

 

現在は第11版と何度も改訂され長年使われてきました。

 

ハリソン内科学と朝倉内科学の疾患(分野)別のページ数・割合

 

教科書の章などの大きなブロックをもとに計算しました。

 

ハリソン内科学 朝倉内科学
ページ数 約3500ページ 約2500ページ
感染症 790ページ(23% 154ページ(6%)
内分泌・代謝 376ページ(11%) 346ページ(14%)
循環器 294ページ(8%) 342ページ(14%)
消化器 274ページ(8%) 326ページ(13%)
神経 272ページ(8%) 294ページ(12%)
腫瘍 244ページ(7%
免疫異常・リウマチ 198ページ(6%) 148ページ(6%)
血液 180ページ(5%) 184ページ(7%)
腎・泌尿器 88ページ(3%) 162ページ(6%)
呼吸器 80ページ(2%) 162ページ(6%)
症候学 354ページ(10% 78ページ(3%)

 

必ずしもハリソン内科学と朝倉内科学の内科の分野の内容については必ずしも一致していないため、単純な比較はできないという点は注意すべき点です。

日本では症候学の一部は、臓器別に各分野に記載されているため、結果的に症候学のページ数が少なくなっているのかもしれません。

 

ハリソン内科学と朝倉内科学で共通している分野

 

  • 循環器、消化器、神経、血液、リウマチ性疾患については、ほぼ同等の割合で記載されています。
  • また内分泌・代謝は、ハリソン内科学と朝倉内科学ともに多いです。

 

教科書の内容的には、

  • 総論
  • 感染症

が最初の方に書かれているというのは共通していて、日本でも感染症が最初の方に書いてあるというのは意外でした。

 

内分泌代謝については、両方で多くページが割かれていました。

 

ハリソン内科学で多い

 

  • 感染症に割かれているページ数が多い
  • 腫瘍学の項目が独立されて設けられており、7%も占めています。

 

世界的には感染症に対する知識が日本よりもずっと広い範囲を知っていないといけないということかもしれません。

  • 日本ではめったに見かけない感染症が、世界の地域では依然としてみられている。
  • 気候や衛生面の問題もあるのかもしれません。

 

腫瘍学は、循環器、消化器、神経と同様に腫瘍学自体がメジャーな分野なのかもしれません。

 

朝倉内科学で多い

 

呼吸器、腎・泌尿器

  • 感染症の割合が日本では少ないためか、呼吸器、腎・泌尿器については日本のほうがより多く記載されています。

 

比較しての感想

 

  • 世界的に内分泌代謝学は相応のページ数が割かれており、重要な分野。
  • アメリカでは医療が進んだ今でも症候学に重きをおいている。

 

世界では、腫瘍については、臓器別ではなく、総合的に腫瘍学として取り扱っているというのが驚きです。

  • 日本でも腫瘍内科という分野がありますので、今後日本でも変わってくるのかもしれません。

 

日本の教科書の朝倉内科学の割合を見ると、まあ、日本での病気の割合を反映しているページ数でした。

 

  • 医療の進歩は、10年前の知識は今から考えると非常識と思われることもあるくらい進歩しています。
  • そうであっても、症候学は依然として重要な分野。
  • 問診や診察所見をしっかり取るということが基本的で重要であり、診療上難しい現状はあるにしても、検査などにむやみに走らないように心がけるべきなのでしょう。

 

やしゅ
世界的に見ると、日本のような先進国・高齢化社会との違いがあり興味深いですよ。

 

日本で注目されている病気と海外の病気の違いをみると、「井の中の蛙」にならないようにしたいと我ながら省みました。

 

さいごに

 

  • 海外と日本の内科学の教科書に割かれている内容を比較しました。
  • 世界的には、症候学は基本的ですが依然として重要なのかもしれません。
  • 臓器別に腫瘍をみるのではなく、腫瘍学としての専門分野が今後診療するようになるのかもしれません。
  • 医療は今後も進歩していくと思いますが、問診や診察と行った基本的なことを大事にしたいとおもいます。

 

また、日本で普段よく見かける病気をしっかりと診療することも大切で継続したいと思っていますが、それとともに、あまり見かけない病気についても基本的な知識はアップデートしておく必要がありそうです。

 

やしゅ
基本的なところですが、普段の診療に流されて、問診や診察所見の重要性を忘れないようにしよう。

 

定期的に、振り返ってみたほうがよさそうです。

自省の念を込めてこの記事を書きました。

 

この記事がみなさんにも少しでもお役に立てるとうれしいです。

 


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