この記事はこんな方にオススメ
- 小説を読む意味が分からない
- 実用書と小説の目的の違いは何?
小説を読むと何の役に立ちますか?
そんな風に思う方も中にはいるかもしれません。
先日20年以上ぶりに小説を読んでみて感じたのは、小説は一般教養(パンキョー)。
実用書や参考書と違って、筋トレみたいなものです。
すぐには効果が出ないものの、自分の体力・経験値を上げていくために極めて重要。
- 小説を読むのは基礎体力をつけるため
- 実用書は実践の書、小説は一般教養の書
楽しみながら、自分の経験値を上げて、自分の中にたくさんの引き出しを作れるってずいぶんとお得なことですね。
小説を読む目的は一般教養を身に着けるため
小説はどこで役に立つのかわからない。でもあちこちに引き出しが増える。
小説を読んで、何かにすぐに役に立てるという場面はまれです。
むしろ小説から得た知識や経験といった引き出しはいつ・どこで役に立つのかわからないし、役に立つ場合にも個人差がとても大きいでしょう。
もし、楽しく小説を読んでいれば、一石二鳥で価値ある娯楽となります。
他にも人間らしさや視野が抜群に広がります。
- 登場人物になりきったり、登場人物にまじかで遭遇したり。
- 登場人物の悩み、考え、感情を身近に知ることができたり、想像したり。
- 自分が経験しない・できない世界を身近に経験したり。
繰り返しますが、小説を読んだから何かの役に立つというような短絡的な目的はないと思っています。
小説は大学1~2年で学ぶ一般教養(ぱんきょー)だ
大学に入学するときには、建築学科、医学科、電気工学科、情報工学科など専門分野を決めて入りますよね。
でも大学に入って最初の1~2年は一般教養(ぱんきょー)といって、直接自分の専門分野とは関係ない科目を学びます。
- 英語
- 物理学
- 心理学
- 経済学
など多種多様。
これらを学んで、自分がこれから進む専門分野に役に立つのでしょうか?
直接的には、そしてすぐには役に立たないでしょう。
少なくともすぐに専門分野に役に立てようと思ったら最初から専門分野を学んだ方が手っ取り早いです。
特に高校生までは学校の先生から問題とそれに対する答えが準備されています。
学校の先生が(すでに答えがわかっている)問題を学生にだして、学生は(準備されている)解答を導き出すという答え合わせです。
ところが社会人になると、
- まず問題を同定する
- (解答が準備されていない・正解があるかわからない)問題を解く
という世界。
答えがあらかじめ準備されている問題を解く能力ではなく、まず問題が何なのかを考え、問題を解決する能力が問われます。
そんな時に専門分野以外の一般教養(引き出し)が多いか少ないかは重要です。
- 数学的側面から解決したり、海外の人たちの視点を取り入れたり、心理学的側面を取り入れたり、解決方法や答えも様々で答えが一つとは限りません。
- それに洗練された答えにできたり、あるいは規定概念を超えた発想を生み出したりと多種多様な答えが出てきたらそれこそ大きなメリットです。
そんな一般教養と同じ役割が、小説にあると思っています。
もちろん本を読まなくても一つの仕事や作業に取り組み続ければ、関連する分野での引き出しが増えるでしょう。
ただしそれ以外の引き出しが少ないと、結果的に得られる相乗効果は少ないでしょうし、ましてや規定概念を超えた発想を期待するのは難しいでしょう。
この20年近く小説を読んでこなかったわたし
20年近く小説から遠ざかっていたわたし
考えてみるとわたしは20年以上小説を読んでませんでした。
対照的に参考書や専門書、実用書は必要に迫られて読みました。
本の内容と、その目的がはっきりとしているため、読んでいて腑に落ちたからです。
ちなみに20年以上前には有名な「吾輩は猫である」を読んだ記憶はあります。
チンプンカンプンで全く分かりませんでしたし、当然その面白さもわかりませんでした。
教科書や試験問題で小説が取り上げられていても、
- 「これ」は何を指すか?
- この文章の意味は次のどれか?
みたいな内容で、面白さがまったく理解できず。
小説は何のために読むのかわからず、そんな理由でずいぶん長いこと遠ざかっていました。
ふと小説を読んでみたら、残念に思った
実用書は読むことが多いのですが、その合間にふと小説を読んでみようと思い立ちました。
どんな小説にしようか、何がいいか、など全く分からないため、タイトルや著者の名前を聞いたことがある本にしました。
- 斜陽
- 人間失格
- 走れメロス
を立て続けに先日読んでみました。
走れメロスはきっと学生時代の教科書に載っていたような気がしますが、それ以外はおそらくはじめて読みました。
久しぶりに小説を読んでみてわかったのは、小説って面白いですね。
これまで生きてきて初めて面白いと思いました。
たまたま今回読んだ本が面白かっただけということもあり得るかもしれませんが。
わたし自身がこれまでに遭遇したことがないような経験を、小説の登場人物が経験し、人間らしく悩んでいる姿を頭の中に思い描きました。
でもやっぱりそれがすぐに役に立つかというと、役に立ちません、きっと。
仮にこれを実用書で学び、「〇〇な人も世の中にいる」と情報をわたしが知ったとしても、そんな真実はすぐに忘れてしまっていたでしょう。
自分の血や肉になっていないから。
小説ではそれをまるで自分のこと、自分の身近なことであるように経験・体験することができます。
これが重なれば、きっとこれまで準備してこなかった自分の新しい、そして突拍子もない引き出しができてくるのかもしれません。
これまで小説から遠ざかっていたのを、残念に思いました。
わたしと同じように小説を何のために読むのかわからない方へ
- 小説は実用書や参考書のような、直接的に目的があるわけではありません。
- でも確実に人として考える上での引き出しが増えます。
- 生涯かけても経験できないことを、頭の中でしっかりと経験できます。
さいごに
小説を読む理由は、楽しむため、そして基礎体力をつけるため
実用書は実践の書とすれば、小説は一般教養の書です。
- 気長に自分の経験値を上げて、自分の中にたくさんの引き出しを作れる。
- 人間として深みや厚みが出る。
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