ここに1冊の本があります。
40代までの医師だったら、みなさんご存知のイヤーノート(year note)です。
イヤーノートは、医師国家試験の勉強のために、ほぼ全ての医学生が購入する参考書。
内科医になって数年して受ける内科認定医、内科専門医、総合内科専門医の試験のときにも、あらためて購入してお世話になった方も多いはずです。
マネから始める大切さを知ったイヤーノート
イヤーノートを使わなくて、失敗した時の話をご紹介します。
研修医になってからは、学生時代には仲がいい友達みたいに肌身離さず持っていたイヤーノートから次第に遠ざかっていました。
実際の病気の診断や治療の時には、イヤーノートだけでは不十分なため、実用書や専門書、文献を調べるからです。
その代わりに図書館に行って担当した病気の文献をコピーしまくって、診断や治療について勉強していました。
そんな研修医のあるとき、
- 「この病気を持っている患者さんは、こんな珍しい経過で、こういう経過をたどりました」
- 「同じような病気を持っている患者さんでは、将来こんなことになるかもしれないから注意が必要です」
と、みんなの前で発表することになりました。
学会の症例発表でよくあるパターンです。
みんなの前で発表するので、いつにもまして図書館でたくさんの文献を調べて、ノートにまとめました。とっても意気込んで。
基本的なところから、専門的なところまで。
駆け出しの研修医なのに、発表前にはその病気のことだったら、専門家と同じくらい知っているくらいの知識を身に着けていきました。
そんな時に、ちょっと侮(あなど)った気持ちがあったかもしれません。
ふと本棚にあったイヤーノートには「どれくらいのことが書いてあるだろうか?」と、イヤーノートでその病気のページを開いてみると・・・。
自分があんなに
- 一生懸命図書館に通った
- たくさんの文献を調べた
- 大事なところを抜き出した
そんな、自分でまとめたノートと「そっくり」のことが、すでにイヤーノートに書いてありました。
そう、あんなに費やした手間・時間は水の泡。
巨人の肩の上に立つ
という言葉が、Googleの学術文献を調べるサイトの「Google Scholar」のトップページに書いてあります。
マネというと聞こえが悪いかもしれませんが、そうであっても、
- 先人たちの知恵や努力、成果を気軽に拝借すべき
- 最初から自分の力で始めよう、まとめようとしない
ということをなんでしょうね。
イアーノートだったイヤーノート
わたしも学生時代の1996年にイヤーノートを購入しました。
今になっても捨てきれないで、本棚に保存している数少ない本の1つです。
ところで
わたしが持っている1996年のイヤーノートが販売されているときに収納されている箱に、日本語で印刷されている文字をよーく見ると、
- 「イヤーノート」ではありません。
- 「イ"ア"ーノート」です。
ちなみに最近販売されているのは本のタイトルはきっちりと「イヤーノート」と書いてあります。
わかる範囲で調べてみると、少なくとも2001年からは今と同じようにイヤーノートとして販売されていましたから、1997年~2000年の間に、名前が変わったんですね。
本の名前自体は、昔から「イヤーノート」と呼んでましたから。
モノを見るときって、結構予想して、しかも実際はきちんと見ずに読んでいるのにビックリ。
自分の目って、結構当てになりません。
最近もネットでいろいろ調べると情報が得られますが、今になっても、イヤーノートはiPadの中に詰め込んでお世話になっています。
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