この記事では子ども用に作られたLAMY abc万年筆をご紹介します。
この記事はこんな方にオススメ
- 細字マジック感覚の書き心地の万年筆を使ってみたい
- 気兼ねなく普段使いしやすい、使いやすい万年筆を探している
- LAMY abcが気になっている
ドイツ製のLAMY abc万年筆の魅力と使い心地
をご紹介します。
子ども用の万年筆ですが、完全にお子様向けというわけではなく
- 大人が使っても書きやすく、安価で気兼ねなく普段使いできる
- 子ども用だけあって、決してフォーマルではないけれども、デザイン的に魅力があり温かみがある
という特徴があります。
LAMY abcの特徴
子ども用万年筆
「子どもに正しく、楽しく字を書くことを学ばせたい、というラミーのこだわりが詰まった子ども用の万年筆」
(https://lamy.jp/products/lamy-abc-set)
まずLAMY abcは基本的に子ども向けの万年筆です。
かといって完全なお子様仕様ではなく、スタイリッシュな面を残しつつ、子どもというより万年筆「初心者」も書きやすいように配慮した万年筆。
- 全般的に子ども用に配慮して作られたのか金属や鋭い部品がありません
- ニブはステンレスですが、それ以外はプラスチックで、鋭く角ばっている箇所はなく、全体的に丸っこい
- 木製の軸とあいまって、やさしい、あたたかみのある姿
キャップには子ども用に、名前を書いて貼り付けるシールとそれを張り付けるスペースがあります。
LAMY abcの構造
色は赤と青の2色。
価格は約2,500円(2,300~3,500円)で、LAMYの有名な万年筆LAMY サファリは約3,000円(2,500~4,000円)のため、それよりも若干安い価格設定。
デザインは、木の温かみとともに子どもが使いやすいデザインでありつつ、ちょっとおしゃれな要素もある、やさしい外観になっています。
軸の表面はメープルウッド(メープル材)で作られた木製です。
グリップはラバーで、親指と人差し指を置く面が、合計2面設けられています。
その他、
- 軸の太さは最大13.0 mmと比較的太目
- ペン先側の約10.5 mmのグリップ部分を握れば、一般的な太さ
- キャップをペン先側にはめると、長さは132.4 mm(実測値)
- 重さはキャップ込みで13.8 g(キャップをはずすと10.5 g)
キャップはプラスチックで、はめるとカチッと音がしてしっかりはまり込みます。
軸の尾側にはキャップをはめることはできません。
ペン軸の尾側はプラスチックで角ばっているため、転がりません(力を入れると転がるけれども)。机から落としにくいかも。
ニブは「a」のみ
価格帯を考えるとニブはステンレス。
ペン先のニブは、あまりよく聞かない「a」というニブのみです。
- 「a」はドイツ語で「初心者」の意味のAnhängerの頭文字に由来(LAMYのホームページから)
- 実際に書いてみると字の太さは、M(中字)ほどは太くないけれど、日本のFよりも太目
紙とのこすれはややカリカリ感があります。
- ちょっとの摩擦を指先で感じながら書けるため、いわゆる「鉄ペン」らしい書き味で、いい意味で書きやすい
万年筆は通常、寝かせて書かないとかすれますが、このaニブは筆記できる角度が広いんです。
そのため少し立てて万年筆を持っても文字を書けます。
- 「aニブ」こそ、むしろ書きやすいと思う人は意外と多いはず
コンバーターをつかうと、色んなインクを使える
LAMYのコンバーター(別売)を使うと、カートリッジ以外の色んな万年筆インクを使えます。
Lamy abcのメリット
- 書き味は良し
- デザイン良し
- 軸の表面は木製(メープル材)で、やさしい触り心地
インクフローは、とってもよいというわけではありあませんが、基本的に良いほうです。
ただし後で説明しますが、インクを選ぶと、とっても潤沢なフローになり使いやすくなります。
Lamy abcのデメリット
ペン先は太目で1種類のみ
ペン先の太さは「a」の1種のみ。
手帳に書くには太すぎます。
逆に、大きめの紙に考え事をメモ書きするのに向いています。
長く使いたいときに気になる耐久性
耐久性も気になるところですが、6ヶ月間使っている範囲では全く大丈夫です。
- グリップは硬めのラバーですが、今のところ全くベトつく気配はありません。
- ペンの軸は表面は木やラバーで覆われているものの、内側はプラスチックのため接合部が割れたりしないか心配なところ。プラスチックの厚さはそれなりにあるため今のところ全く大丈夫。
- 軸の表面を覆うメープル材も割れたりしないか心配なところですが、今のところ全然大丈夫。
ただ元々、この万年筆は子供用です。
10〜20年持つような設計ではないでしょうし、それほど耐久性を期待する必要はない価格帯です。
フォーマルな場で使用しにくい
フォーマルな場では、一般的には使いにくいでしょう。
これはLAMYサファリでも同じことが言えますが、周囲の人の目を気にするとLAMYサファリよりも仕事でつかえる場面はせまいでしょう。
もっとも万年筆をフォーマルな場で使うことがある機会は、一般的には多くないでしょうから、それほどのデメリットではないと思います。
その他は使用用途によりますが、「クリップ」(グリップではない)はありません。
注意点
グリップ部分はゴム(ラバー)製で滑りません。
グリップに2か所指を添える箇所が平たんになっていて、「ここに指をかけてね♪」、という作りになっています。
- グリップのラバーの平坦部分に指をかけて持つと、どうしても万年筆を短く持つこととなり、持つ場所がペン先から近すぎると感じる人は意外と多いかも。
- 対照的に軸の中央部分(ペン先からやや離れた部分)を持つ場合、軸がやや太く感じる方が多いかもしれません。
使ってみた感想
万年筆インクとの相性
元々付属していたLamyのカートリッジインクは使いやすいものの、インクフローは普通でした(書きにくいというわけではないが、特別書きやすいというわけでもなかった)。
そのため、コンバーター購入して、他の会社の万年筆インクを使ってみました。
まずPelikanのBrownのインクを使いましたが、LAMY abcで使うとインクの出が渋いんですよ。結果として線が細くなるほどです。
どうもPelikanのインクはLamyよりも渋いのかもしれません。
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万年筆を自分好みの色のインクで【Pelikan Brilliant Brown】
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そのため色彩雫の天色(あまいろ)を入れて使っています。
すると、インクフローが潤沢で、カスれや線が細くなるということは全くなく、とっても書きやすいんです
線のかすれがない、マッキーのマジックで書いているみたいな感覚にで文字を書けます。
扱いやすさ
万年筆にしては高くない価格帯で、そもそも子供用の万年筆のため、多少ラフに扱っても気にならない万年筆です。
キャップはねじ式ではなく嵌合式で、キャップ式のボールペン感覚で気軽に使えます。
キャップの耐久性も、今のところ全く問題ありません。キャップはプラスチック製ですが厚くて、そう簡単に割れそうにありません。
嵌合式のキャップは開け閉めしやすく、耐久性も相応にあるため、日常使いでパッと取りだして、キャップを外して書き始めやすいというのは大きなメリットに感じています。
キャップはペン軸の尻側にはめることは出来ません(個人的には全然気になりませんでした)。
総合評価
- 総じて価格安く、インクフローよく、キャップ式で書き始めのストレスがなく、普段使いしやすい万年筆
- ちょっと大きめの用紙にラフにメモ書きするのには最適
- 反対に手帳などのスケジュール帳に小さい字で書き込むのには、適しません
個人的にはインクも色彩雫に変えることで、潤沢なインクフローが楽しめます。
それにラフに扱っても、そしてガシガシと日常使いしても、万年筆が痛むのではないかと気にすることは全くない価格帯が、好き。
価格、ラフに扱いやすい、書き始め・終わりのキャップの開け閉めしやすい、インクフローが良いという、日常使いにぴったり。
さいごに
ドイツのLAMY abc万年筆の魅力と使い心地
をご紹介しました。
子ども用の外観は確かにありますが、大人が使っても使いやすいんです。
フォーマルな場面では使いにくいことが多いでしょうが、そうでなければ、そしてコンバーターで色彩雫のインクを使うと、かすれないマジック感覚でガシガシ書けます。
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