この記事ではパイロットから販売されているキャップレスデシモについて紹介します。
この記事はこんな方にオススメ
- 周囲の目が気になって、万年筆を使いにくい
- 万年筆を使っているが、毎回キャップをくるくる回して外したり、装着するのは面倒と思っている
- もっと気軽にボールペン感覚で万年筆を使いたい
ボールペンと比べると、筆圧が低くても書けるため万年筆は疲れにくく、また書いた文字も趣(おもむき)がでるため魅力的です。
ところが万年筆を使うたびに、
- キャップをくるくる回して外し
- 使い終わったらまたくるくる回してキャップを装着
という手間がかかります。
数回ならいいものの、ボールペン感覚で「ちょっと書き込んで、考え事して、時間が経ってまた文章を書く」という時には、このキャップの開け閉めの手間が何回も必要となります。
パイロットが販売しているキャップレスデシモです。
パイロット キャップレスデシモ(Capless decimo)の魅力と使い心地
をご紹介します。
ノック式の万年筆で、ボールペン感覚で使えます。万年筆を使うときの手間をとっても減らしています。
実際に使ってみると、「万年筆のキャップの開け閉めがないと、こんなに気軽に万年筆を使えるのか(!)」と実感します。
キャップレスデシモの特徴
キャップレスデシモの特徴のまとめ
- 気軽にボールペン感覚で使える万年筆
- 使いやすい(ペン先の裏表の確認は不要)
- いかにも「わたしは万年筆(!)」という主張がない外観
キャップレスデシモは、1963年にキャップレス万年筆を発売して以来、10代目のモデルです。
- decimoとはスペイン語で「10番目」という意味。
気軽にボールペン感覚で扱える万年筆
キャップレスデシモはノック式です。
- ノックすると、ペン先のシャッターが開いて、ペン先が現れます。
他の普通の万年筆はキャップ式になっていることが多いし、さらにはねじ式に回転させてキャップを外す設計になっています。
- これは万年筆のペン先が乾かないようにするためです。
ということは、万年筆を使う時には、
- キャップを回してキャップを外す
- 使い終わったらキャップを回してはめる
という動作が必要です。
ちょっとメモして、そのあとしばらくしてまたメモする・・・という、日常でよくある場面では、
- キャップをくるくる回して外して、万年筆で文字を書く
- 書き終わったらくるくる回してキャップをはめる
という、手間が1日に何度もかかります。
実際に使ってみるとわかるのは、「ノック式の万年筆ということはそれだけで、大きなメリット」です。
つまりキャップレスデシモは「ノック式のボールペン感覚で使える」万年筆です。
だって、もしもキャップ式のボールペンを使うと考えてみると、
- 使うたびに回転させてキャップを外す
- 使い終わったら再び回転させてキャップをはめる
という煩雑(はんざつ)なボールペンは、あまり使いたくありませんよね。
使いやすい(万年筆ペン先の裏表を確認しなくてよい)
キャップレスデシモにはペン先側にクリップがついています。
- 奇抜な位置についているように見える、このクリップを目印にペンを持ちます。
- クリップがある面を上にする
- クリップに人差し指と中指をかけて持つ
だけで、自然と万年筆を正しい位置に持てます。
どういうことかというと、「目で万年筆のペン先の向きを確認する必要なく」、指でクリップを触れることで自然とそして「自動的」に、万年筆のペン先の向きをも正しい位置に(ペン先の表側が上側になるように)持てるんです。
他の万年筆だったら、ペンを持ちながら、ペンを回転させて(ペン先の裏表を確認して)ペン先の向きを調整するところですが、この作業が全く不要です。
さらにキャップレスデシモを持つときに、ペン先側についているクリップ自体は意外にも邪魔になりません。
まとめると、
- 気づいたらすぐに文字を書くというときに
- キャップをくるくる回して外すとともに、
- ペン先の裏・表を確認する
という、2度手間が省けるという、万年筆を使う上でのデメリットを克服している画期的な万年筆です。
その他、塗装がツルツルしているため、指がかえって本体にフィットして滑りにくいです。
「わたしは万年筆(!)」という主張がない外観
万年筆を使うときに周囲の人の目が気になる場面がありますよね。
- いかにも「わたしは万年筆です(!)」という風貌をしている万年筆を使っていると、周囲の人にへんてこな目で見られるからです。
そんな時でも、
- ノック式
- ペン先は本体から少ししか出てない
- デザインは普通のボールペンそっくり
というキャップレスデシモは万年筆でありながら、本当にボールペンそっくりの外観・機能を持っているため、広い場面で人目を気にせず使いやすいんです。
その他の特徴
- ペン先は18金
- インクは潤沢に出るためなめらか
- 本体はアルミニウムのため軽い
と書きやすさが追求されています。
重心はペン先を出しても出さなくてもほぼ中央(ペン先から約68mm)です。
色は8種類
- ダークブルーマイカ
- ダークグレーマイカ
- パールホワイト
- シャンパンピンク
- ブラック
- レッド
- ライトブルー
- バイオレット
カートリッジインクを装着するところ
キャップレスデシモのデメリット・注意点
デメリット
ノック音は意外と大きい
それほど大きなデメリットではありませんが、意外とノックの音はしっかりした音が出ます。
インクの残量が分かりにくい
インクの残量を見るには本体を開けて、さらに内側のキャップを外す必要があります。
そのため替えのカートリッジインクは携帯しておいた方がよさそうです。
注意点
好みのインクを使いたいときには、カートリッジの代わりにコンバーターを使います。
キャップレスデシモで使用できるコンバーター「CON-40」はもともとのインク容量が少ない(0.4ml)上に、十分なインク容量を充填できません。
実際のインク容量はさらに少なくなってしまいます。
その他に人気がある、iroshizukuのカートリッジ式インクも販売されています。
朝顔、紺碧、天色、月夜、孔雀、深緑、冬将軍、竹炭、深海、紫式部、山葡萄、紅葉の12種類の色があり、6本入りで約1,000円です。
黒やブルーブラックは24本で約800円です。
キャップレスデシモを使った感想
パールホワイトのキャップレスデシモ(細字)をカートリッジで使っています。
他の万年筆との書き味の比較
これまで
- ペリカン スーベレーンm400(→ レビュー記事はこちら)
- ペリカン スーベレーンm215
- パイロット カスタムヘリテイジ92(→ レビュー記事はこちら)
- ラミー サファリ(→ レビュー記事はこちら)
を使ってきました。
この中で書き味ではスーベレーンm400が一番書きやすいです。
そのため机に向かってずーっと文字を書き続けるという状況なら、m400などキャップ式の万年筆の方が使いやすいのは確か。
ただしその差がどれくらいかというと、キャップレスデシモ プラスアルファ程度です。
それよりもキャップレスデシモの、ノック式でボールペン感覚で、すぐに使えるという利便性は実際に使ってみると、「とっても大きな」アドバンテージでした。
この利便性のために、書き味を含めた総合的な評価としては、普段使いにはキャップレスデシモの方が使いやすいと感じる方が多いのではないかと思っています。
他のキャップレス万年筆との比較
他にキャップレス万年筆としては、
- プラチナ万年筆が販売しているキュリダス
- パイロットが販売しているキャップレス(デシモではない方)
があります。
わたしの場合は
- キュリダスは見た目が、プラスチック感ありインフォーマル
- キャップレスは軸の太さが太くなり(キャップレスデシモは約11.5mm、キャップレスは約13mm)、重い(キャップレスデシモは約21g、キャップレスは30g)
という点から、キャップレスデシモを選びました。
キャップレスデシモはこんなあなたに向いている
- 周囲の目が気になって、万年筆を使いにくい
- 万年筆を携帯して、さっと取り出して使いたい(手間いらず)
という方には、キャップレスデシモはピッタリです。
長時間やまとめて文章を書く人以外は、キャップレスデシモはボールペンライクで使いやすい万年筆です。
古典的な形の万年筆の書き味がちょっぴりいいため、長時間一気に文章を書く方は、一般的な万年筆がいいかも。
さいごに
パイロットが販売しているキャップレスデシモの特徴と使用感
をご紹介しました。
キャップの開け閉めをしないと、「こんなに使いやすいのか」と実感できる万年筆です。
ペンを落とさないように気を付けるのは他の万年筆と同じですが、それ以外はまさにボールペンです。
日常のちょっとしたメモにも、万年筆をとっても使いやすくなります。
そして万年筆をもっと「使いたく」なります。
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